No.290 世代を越え生まれ変わったダイヤモンドの婚約指輪
ダイヤモンドの婚約指輪
今回制作させて頂いたのは
お祖母様から譲り受けたという
お持ち込みのダイヤモンドを使った
フルオーダーの婚約指輪。
完成品がこちら。
お持ち込みの石は
5.35mmの0.51カラットある
立派なサイズのダイヤモンド。
素材は渋さと高級感のある
K18ホワイトゴールドを使用しました。
石座は王道の6本爪のソリティアタイプ。
石のサイズにピッタリに合うように
手作業で削り出して留めました。
腕は石座に向かって
少し細くシェイプさせ、
中央には溝を彫り
ミルグレインの装飾でシンプルに飾りました。
また、画像だと少し分かりにくいですが
石座の角度を通常より強めに鋭角にして
ストレートな結婚指輪と重ね付けした時にも
石座がぶつかりにくいように調整しました。
左が石を外したお持ち込みのリング。
かつてお祖父様からお祖母様に
贈られた大切なもの、
責任持って慎重に石を外し
お孫さんであるご新婦様と
新たな命を吹き込むように
デザイン・制作させて頂きました。
納品後しばらくして
お祖母様に画像を見せたら
「ええ風にしてもろて良かったね」と言って
嬉しそうにしていたと、
とても嬉しいご報告を頂きました。
お祖母様から言っていただけたという
その短い言葉が妙に胸に響いて
いい仕事ができたのかなと
少し誇らしい気持ちになりました。
お持ち込みのジュエリーから石を取り外す作業は
前の持ち主の方、その方にプレゼントした方、
そのジュエリーをデザインして作った
作り手の方に思いを馳せながら
あまり意味のない気遣いかもしれませんが
石はもちろんリング本体にも
なるべく傷がつかないように、
敬意を持って慎重に石を取り外しています。
いつかもし次の世代に受け継ぐ時が来たら
それはまたとても素敵なことですね。
その日まで
たくさんご愛用いただけたら嬉しいです。
末永くお幸せに。