No.311　斜めに色を変えた平打ちの結婚指輪

今回制作させて頂いたのは
正面の金属を斜めに入れ替えた結婚指輪。
 
言葉で説明が難しいので
完成品がこちら。

ご新郎様用は
プラチナのベースに
１箇所だけK18イエローゴールドに入れ替え。

金属の境目に細く溝を入れ
また、プラチナ部分はマット加工、
ゴールド部分は鏡面に光らせることで
金属が入れ替わったラインを
さらに強調させました。

ご新婦様はその逆で
K18イエローゴールドのベースに
プラチナの斜めのライン。


リング幅は同じなので
お互いの一部抜き出したパーツを
入れ替えるイメージで作りました。



この金属を斜めに変えるアレンジは
一見シンプルに見えますが
手作業で断面を３次元にピッタリ合うように
擦り合わせる必要があるので
垂直に真っ直ぐ組み合わせるよりも
さらに難易度が高い変え方になります。

斜めの角度は鈍角すぎず鋭角すぎず
また幅も細すぎず太すぎず、
バランスにはこだわりました。

色を変えた後、色の境目のラインに合わせて
斜めにラインを彫っていくのですが
少しでもずれると全て台無しなので
最後の最後まで気が抜けない作業の連続でした。


先日無事ご納品させて頂き
お二人にも大変お喜び頂けました。


お互いの一部を交換して
持ち歩いているような
２本の繋がりを感じるデザイン。
 
シンプルなアレンジでありながら
色味や表面加工の工夫で
唯一無二のとても素敵な結婚指輪になりました。


時が経って
表面加工が馴染んできて
経年変化した雰囲気も
おそらくとても素敵だと思います。
 
末永くお幸せに。