No.352 槌目を入れた太さの違う結婚指輪
女性用:K18イエローゴールド、ダイヤ
今回ご相談いただいたのは
槌目を打ったゴールドの太めの結婚指輪。
完成品がこちら。
どちらもK18イエローゴールドで制作。
ご新郎様は幅6.0mmで
かなり存在感のあるバランス。
いつもの細かい槌目の時よりは
少し大きめの金槌を使い
幅に合わせて少し大きめの槌目をつけました。
ご新婦様用は
幅2.6mmと細身で制作して
1.3mmのダイヤモンドを5石彫り留め。
留めの彫り終わりを丸くしたのも
個人的には好きなポイントです。
こちらもご新郎様と同じ金槌を使い
少し大きめの槌目をつけました。
リングのベースは
ご新郎様用は厚みがあまり出ないように
甲丸のベース。
ご新婦様の方は
ダイヤの石留めのことも考え
少し角を出した平甲丸で制作しました。
最後の仕上げは
ご新郎様用はヘアラインをかけ
ご新婦様用は鏡面に艶を出しました。
今回リングサイズが
25号と7.5号と結構差があったのですが
サイズに合わせて厚みや幅のバランスを
細かく調整して制作できるのは
フルオーダーならではの良いところだと思います。
先日納品させていただき
お二人にも大変お喜びいただけました。
リングを金槌で叩いて模様をつけて仕上げる
槌目加工。
見た目にはシンプルなアレンジですが
叩けば叩くほど指輪の形は変わり
サイズも伸びて大きくなるので
どのくらいの大きさの槌目をつけ
どのくらいの回数を叩けばどのくらい伸びて
希望のサイズにピッタリにできるかは
職人の長年培ってきた感覚と腕があってこそです。
悠久の時を刻んできたかのような
温かみを感じる2本のリング。
こらからまた何十年と時間をかけて
さらに味わい深い表情に
なってくることと思います。
シンプルなフォルムの中に
お二人の想いが詰まった
とても素敵な2本でした。
末永くお幸せに。