No.300 クラダリングの婚約指輪
今回ご依頼頂いたのは
ずばり、『クラダリング』をモチーフにした
婚約指輪。
聞いたことがない人も多いかと思いますが
クラダリングとは
アイルランドのクラダ村が発祥とされる
「ハート、両手、王冠」の3つをモチーフに入れた
伝統的なデザインの指輪のことを言います。
ハートは「愛」、両手は「友情」、
王冠は「忠誠・忠実」を表し
愛の絆のシンボルとして
婚約指輪や結婚指輪でも使われています。
ちなみにクラダリングは
着ける向きや指によって意味が異なり(諸説あり)
右手の薬指にハートを外側に向けて着けると
「恋人募集中」、
左手の薬指にハートを内側に向けて着けると
「既婚者」であることを表すそうです。
今回ご依頼の経緯としては
ご新郎様が元々縁があって
クラダリングを身につけられていて
プロポーズする時には絶対に
クラダリングを渡したいと決めていたそうで
当店にご依頼を頂きました。
デザインの好みを伺いながら
バランスや寸法を決めていき
完成したものがこちら。
素材はプラチナ950。
左右で対象になるようバランスを調整しながら
全て手作業で削り出して制作しました。
今回クラダリングの史実を学びつつ
色んなクラダリングの画像を参考に
いい塩梅のバランスを模索しながら
オリジナルで制作。
婚約指輪ということで
ハートの中心には後光留めでダイヤモンドを留め、
王冠にはミルを手打ちで入れたのもポイントです。
細工が細かくなかなか難しいデザインでしたが
こうしたらもっと綺麗にできるかな、と
作り方を試行錯誤しながらの作業で
私自身勉強になることが多い
やりがいのあるご依頼品でした。
無事納品させて頂き
大変お喜び頂け、プロポーズも大成功だったと
素敵な画像と共に嬉しいご報告を頂きました。
素敵なお花と、
世界で一つのクラダリングでのプロポーズ。
とても素敵な瞬間だったんだろうなと
私もとても嬉しくなりました。
ダイヤモンドのキラキラした
婚約指輪の魅力とはまた違う、
デザインにこだわりを詰め込んだ
どこまでも自由なフルオーダーメイドの婚約指輪。
とても素敵な思い出深いデザインでした。
末永くお幸せに。