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2020.10.30 Friday ジュエリーの知識

デザインの知識⑨ ジュエリーの始まり

こんにちは、
スタッフの小松です。

 

寒くなりましたね。
温かい飲み物が美味しい季節の到来です。

 

hitotsuchiから歩いてすぐなので
よく代官山蔦屋のスターバックスに行きます。

 

蔦屋店内の椅子は
スタバの飲み物であれば
本を読みながら飲んでも
大丈夫なんですよ。
別号館の室内の椅子も大丈夫です。

 

外の席は
本は持ち出しはできず飲み物だけですが
外で飲むコーヒーは美味しいという
同じ気持ちの方が多いので
満席のことが多いです。

 

そんな時は隣接している1号館と2号館の間や
大きな道路沿いにも椅子やベンチがありますので
探してみてください。
案外空いているかもしれません。

 

 

 

結婚指輪 オーダーメイド メレダイヤモンド

 

デザインの知識、
第九回は「ジュエリーの始まり」です。

 

ジュエリーというと
ダイヤモンドや宝石が留まっていたり
金やプラチナで出来ていて
高価なものという印象が強いと思います。

 

ですがジュエリーの前身である
装身具(そうしんぐ)は

 

初めは石や粘土や焼き物、
動物の一部を使ったものでした。

 

日本も
縄文時代、弥生時代、古墳時代の遺跡からは
石や焼き物や動物の一部を使った
装身具が出土しています。

 

中でも代表的なものは
貝の貝殻を使った
貝輪(かいわ)と呼ばれるブレスレットや、
勾玉(まがたま)と呼ばれる
ネックレスなどです。
勾玉は歴史の教科書に
載っているのを見たことがないでしょうか。

 

 

身近なものを使って作られた装身具。
今のように材料も道具も豊富ではないのに、
昔の人々は現代人以上に
様々な装身具を身につけています。

 

人はなぜ装身具で
身を飾るようになったのでしょうか。

 

そこで今回は諸説ある中から
人が装身具を付け始めた理由と言われている
代表的な4つの説をご紹介いたします。

 

 

 

結婚指輪 オーダーメイド ミルグレイン

 

①呪術起源説
なんとも禍々しい字面ですが、
実は最も多いのがこの
装身具の始まりは呪術や魔術に関連していると
捉えた説です。

 

昔の人は自分や家族を
自然災害、病気、闇に潜む得体の知れないものなどから
守ってもらうために装身具を身につけました。

 

誕生石のコラムの中でも時々書きますが、
6月の誕生石ムーンストーンは
満月の時に口に含むと未来が見えたとか、
9月の誕生世紀サファイアは
病気を治療するために使われていた
という話もあります。

 

今よりも得体の知れないものが多かった時代は
きっと宝石や装身具には何か不思議な力があって、
特別なものを身に付ける事によって
守られていると感じていたのでしょうね。

 

現代でもそんな気持ちが残っていて
お守りや数珠やキリスト教の十字架という
宗教に関するものや
宝石言葉やパワーストーンなどが
これに当たるのではないでしょうか。
ジュエリーではありませんが、
自分の近くに置くものですし、
願いや祈りも広い意味では
呪術といえるかもれません。

 

 

②ホモ・ルーデンス説
ホモ・ルーデンス 
《遊ぶ人の意》人間観の一。遊ぶことに人間の本質的機能を認める立場から人間を規定した言葉。オランダの歴史家ホイジンガが提唱した。

 

ホモ・ルーデンスとは遊ぶ人という意味です。
全ては遊び心からできたというこの説は
何故と考える必要はなく、
遊びの中で装身具が生まれたとしました。

 

例えば縄文土器は
鍋や器のように扱うのですが
日用品にもかかわらず、
たくさんの装飾が施されており、
その装飾は実用には意味がありません。

 

綺麗だったから、楽しかったから、
きっとそんな風にして
身の回りの物や装身具を
身に纏っていたのではないか、という説です。

 

現代の
ファッションを楽しむ感覚にも似ています。
お好きな方は、綺麗だから、楽しいから
この洋服やアクセサリーを着けたい
という気持ちは老若男女問わず
お持ちなんじゃないかなと思います。

 

 

③自己異化説
自分と人が違う事を表すために
装身具を着けたという説です。

 

人とは違った物や自分だけのものって
魅力的に感じることがありますよね。
私も唯一無二感や、
自分だけの何かがあったりすると
ちょっと嬉しいなと思います。
オーダーメイドジュエリーなども
この1つではないでしょうか。

 

割と近代〜現代では想像が付く考え方ですが、
果たして、古代の昔の人々が
今と同じように思ったかは少し疑問です。

 

装身具の起源というよりも
階級というものが明確になってきてから、

 

自分だけのものが欲しいという
現代のような気持ちよりも
権力者が自分と他の人は違う事を表すために
装身具を身につけていた、
という考えのほうが近いのではないかなと思います。

 

 

④自己同化説
先ほどの自己異化説とは反対に
共通の者であるという事を
装身具で表したという説です。

 

村ごとや、国ごとなどで
同じものを身につけることによって
同じグループに属していると表します。

 

同じものを身につけるというと、
現代の大きな集団では社章や校章などが
そういった類になります。
洋服だと制服もそうですね。

 

また、小さな集団では
結婚の証である結婚指輪も
その一つと言えます。

 

同じデザインでも、
同じデザインではなくとも
二人だけの共通点である結婚指輪は
お二人がペアであるという事を
表現するものの一つです。

 

 

 

 

以上、
人類が装身具を付け始めた理由と言われている
代表的な4つの説でした。

 

呪術起源説は
お守りや数珠、
宝石言葉やパワーストーンなど、
ホモ・ルーデンス説は
ファッションを楽しむ感覚、
自己異化説は
オーダーメイドジュエリーなど
自分だけのものが欲しいと思う気持ち、
自己同化説は
社章から、結婚指輪やペアアクセサリーなど

 

どの説も現代人が持っている
物に対する感覚の一つだと思います。

 

皆さんはどの説が
ジュエリーの始まりに近いと思いますか?

 

私はちょっとずるい予想ですが、
1つの説がというよりも
複数の説が入り混じって
装身具が身につけられるようになったのかな
と思っています。

 

 

ついでに冒頭で書いた
日本のジュエリー文化の続きですが、
実は古墳時代の後、
明治時代まで装身具らしい装身具が
ぱたりとなくなります。

 

簪という頭に特化した装身具はありますが、
庶民が着けるような
装身具やジュエリーを作っていた形跡は
ほとんどありません。
外国では沢山あるのに不思議ですよね。

 

技術がなかったのか、
というわけでもないのです。
昔の仏具や刀や簪は美しく
金属加工の技術は
世界でも引けをとりません。

 

材料がなかったのか。
日本は砂金や銀を輸出していました。
黄金の国と呼ばれていた事もあります。

 

外国と交流がなく知らなかったのか。
江戸時代は鎖国をしていましたが、
それ以前は外国と貿易をしていました。

 

興味がなかったのか。
宝物殿や他の宝物が残っているように
高価なものを収集していなかったわけでもないのです。

 

なぜ日本人は長い間
ジュエリーや装身具を着けなかったのでしょうか。
着物が華やかで着ける必要がなかった
という話もありますが、、、
大いなる謎の一つです。
もしかしたら
土に還ってしまうような不思議な素材で
作っていたのかなー
なんて想像してしまいました。

 

 

今回のデザインの知識は
「ジュエリーの始まり」についてでした。
次回もお楽しみに。

 

 

 

参照:
ジュエリーコーディネーター3級テキスト
ジュエリーの世界史 山口遼
ホモ・ルーデンス
Wikipedia 日本の貿易史

書いた人

スタッフ 小松
ジュエリーの専門学校と御徒町のジュエリー工房で制作経験を積む。ジュエリーの商社でMDとして3年務めたのち、2019年からhitotsuchiに仲間入り。WEBサイトやSNS更新など中の人を担当。ジュエリーコーディネーター3級。
好きなこと:カフェ・お菓子屋さん巡り、刺繍、カメラ、映画、読書

結婚指輪・婚約指輪のオーダーメイドショップ
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