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2022.09.08 Thursday ジュエリーの知識

9月の誕生石 クンツァイト

こんにちは、
スタッフの小松です。
 
最近、アニメの平家物語を
一気に全話見ました。
 
祇園精舎の鐘の声…から始まる、
平家の繁栄から衰退までを描いた物語です。
 
一度は習ったはずなのに
平家物語の内容はほとんど覚えていなくて新鮮で、
学生時代になんとなしに受けていた歴史の授業は
本当はとても面白かったんだろうなと思います。
 
時折本屋で見かける大人向けの
歴史の教科書を読んでみたくなりました。
季節も秋めいてきましたので
今年は読書の秋にしようかと思っています。
 
 

 
 

1.クンツァイト


誕生石 クンツァイト
今回は2021年に
新しく追加された9月の誕生石
クンツァイトについて。
 
クンツァイトは
淡い紫から菫色、ピンクなどの色を持つ透明石です。
鉱物名はスポジュメン、リシア輝石と言います。
 
冒頭の写真はクンツァイトのラフカットですが
市場にはラフカットだけでなく
宝石の形にカットされているものもあります。
 
クンツァイトが初めて発掘されたのは1902年のこと。
宝石の中でも新しい宝石です。
アメリカのカルフォルニア州で見つかり
鉱物学者で鉱物コレクターとしても有名な
ジョージ・フレデリック・クンツ博士の元に送られ、
新しい宝石であると認定されました。
宝石名クンツァイトはクンツ博士の名前にちなんでつけられています。
 
クンツァイトのモース硬度は
6.5〜7.0でそこまで硬い石ではありません。
またこの石は2つの方向に
はっきりとした劈開性を持っており、
外からの衝撃に弱いです。
なので、クンツァイトのジュエリーの購入を考える時は
周りから衝撃を受けにくいデザインをおすすめします。
 
お手入れの際は超音波洗浄機は使用せずに
ぬるま湯と中性洗剤で優しく洗ってください。
また、急激な温度変化にも弱いので
熱湯には入れないようにしてください。
 
保管する際は
クンツァイトに直射日光を当て続けると
褪色する可能性がありますので
日光の当たらない場所で保管してあげてください。
 
取り扱い注意事項が多く
そこまで有名な石ではないためか
希少性と美しさの割に
大きめの石も手に入れやすい価格で出回っています。
 
ただ、耐久性・サイズの豊富さ・品質の良さなど総合的に考えると、
一般的に過度に大きいサイズではなく、品質の良い石を使う
結婚指輪や婚約指輪のようなジュエリーには
個人的にはあまり向いてない石かなあと思います。
 
せっかくピンクの石で可愛いのに…と思った方へ、
同じ9月の誕生石の、ピンクサファイアはいかがでしょうか。
 
サファイアにはブルーの他にも
ピンク、イエロー、オレンジなど様々な色があります。
サファイアはクンツァイトよりモース硬度も耐久性も高く
石のサイズも豊富なのでおすすめですよ。
婚約指輪のメインストーンや結婚指輪の内側の石で
ピンクの石をお考えの場合は、
こちらもぜひご検討してみてください。
 

 
 

2.ジョージ・フレデリック・クンツについて


2021年に日本の9月の誕生石として追加されたクンツァイト。
なぜ9月かというと、宝石名の由来である
ジョージ・フレデリック・クンツ博士の誕生日が
9月29日だったからだそうです。
 
ところでこのクンツ博士とは、
どんな人なのでしょうか。
 
ジョージ・フレデリック・クンツは
1865年9月29日に産まれました。
幼い頃から鉱物に強い興味を持っていて
なんと10代で鉱物を4000以上も収集し
ミネソタ大学に売ったという逸話の持ち主です。
 
私立大学に通っていましたが大学には行かずに
独自に現地調査へ行き鉱物学は独学で学んだそうです。
熱意と知識をかわれ
23歳の若さでジュエリーブランドティファニーの
チーフ(vice presidency)に就任しています。
 
その後もアメリカの鉱物学者、鉱物コレークターとして
各国で行われる国際博覧会での鉱物展示や
博物館の創設者兼社長、などなど
鉱物学を軸にその他の付随する分野においても
たくさんの発見と財産を残した人物です。
 
4月の誕生石モルガナイトの時にも書きましたが、
モルガナイトの名前の由来である
J.P.Morgan(ジョン・ピアポント・モルガン)が
ティファニーに依頼した宝石コレクションも
このクンツ博士が組み立てています。
 
並ならぬ情熱を持ち
生涯鉱物に向き合い続けたクンツ博士。
これだけ石が大好きな人なので
自分の名前がついたときは
きっと嬉しかっただろうなと思います。
アメリカの自然史博物館に行けば
クンツ博士が集めた鉱物もありそうですね。
 
簡単ではありますが、鉱物学者
ジョージ・フレデリック・クンツについてでした。

 
 

3.まとめ


今回は新しい9月の誕生石である
クンツァイトについて書いていきました。
 
モルガナイトと同じくピンク色の透明石で
誕生石としては珍しい色でしたが、
実は元来の誕生石の中にも
ピンク色を持つ宝石が存在しています。
 
そこでここでは元々誕生石の中にあった
ピンクの宝石をいくつかご紹介いたします。
 
・ピンクサファイア(9月の誕生石)
・ピンクトルマリン(10月の誕生石)
・ピンクトパーズ(11月の誕生石)
 
この3つは硬度も高いので、
婚約指輪のメインストーンにも
結婚指輪の内側に入れるのにも向いています。
 
また少し違うピンク系のこんな石もあります。
 
・ロードライトガーネット(1月の誕生石)
ピンク色というより赤紫色の透明石です。
淡い色ではなく濃いめの色が好きな方におすすめです。
 
・桃色サンゴ(3月の誕生石)
透明ではありませんが、
かわいいピンク色をしています。
海外ではエンジェルスキンと呼ばれています。
珊瑚は結婚指輪の内側には
カットの形が合わないため入れられません。
 
以上、その他のピンク色の宝石でした。
よかったら写真などぜひ調べてみてくださいね。
 
 
次回は12月の新しい誕生石
ジルコンについてです。
 
人工石であるキュービックジルコニアと
間違われることもありますが
ジルコンは天然石です。
一体どんな特徴があるのでしょうか?
 
次回もお楽しみに。
 

 
 
参考
GIA クンツァイトクンツァイトのお手入れとクリーニング
Wikipedia リシア輝石George Frederick Kunz

書いた人

スタッフ 小松
ジュエリーの専門学校と御徒町のジュエリー工房で制作経験を積む。ジュエリーの商社でMDとして3年務めたのち、2019年からhitotsuchiに仲間入り。WEBサイトやSNS更新など中の人を担当。ジュエリーコーディネーター3級。
好きなこと:カフェ・お菓子屋さん巡り、刺繍、カメラ、映画、読書、居合道

結婚指輪・婚約指輪のオーダーメイドショップ
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