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2020.05.16 Saturday ブライダルコラム

【結婚指輪の素材人気No.1はプラチナ?ゴールド?】オーダーメイド専門店が徹底解剖⑧

【第八回 結婚指輪の素材人気No.1はプラチナ?ゴールド?】
 
ご結婚が決まり、結婚指輪をお探しの方へ、
情報がたくさんありすぎて困っていませんか?
 
オーダーメイドの専門店が
結婚指輪を探している人が気になっている
特に多いお悩みをピックアップして応えてみました。
 
全10回でお送りいたします。
 

 
 

1.第八回 結婚指輪の金属の素材人気No.1はプラチナ?ゴールド?


結婚指輪 婚約指輪 オーダーメイド プラチナ ゴールド
今や、結婚指輪に使用される金属は多種多様になってきました。
一般的にプラチナやゴールドが多く知られていますが
最近ではチタン、タンタル、ジルコニウムなどの
レアメタルと呼ばれる金属も人気を博しています。
 
実際のところ、先輩花嫁さんたちは
結婚指輪にどんな金属の素材を選んでいるのでしょうか。
 
ゼクシィネット調べでは、
400人中、約7割の方が「プラチナ」を選んでいるとされています。
 
技術の進歩により
様々な金属で結婚指輪を作れるようにはなりましたが
現段階において
不動の第一位は「プラチナ」で間違いないと思います。
 
 
実際に当店をご利用されるお客様も
7割とまではいきませんがプラチナを選ばれる方は多いです。
シルバー色の白い金属は
プラチナ950とK18ホワイトゴールドというものをご用意していますが
お客様の認知はプラチナの方が圧倒的に高く、
K18ホワイトゴールドというのはお店で初めて聞いたという方もいらっしゃいます。
 
確かに本来ゴールドと言えば黄金色なので、
まさか白色のゴールドがあるというのは想像しにくいのかもしれませんね。
 
 
※結婚指輪に使われている
主な金属は以下の4種類。
 
・プラチナ950(PT950)
プラチナと呼ばれる貴金属でシルバーと似た白色(銀色)をしています。
PTの後ろの数字はプラチナの含有率を1000分率で表していて、
1000分の950プラチナが含まれています。
 
・K18イエローゴールド(K18YG)
ゴールドと呼ばれる貴金属の中で名前の通り黄色い金属です。
Kの後ろの数字はゴールドの含有率を24分率で表していて、
24分の18(約75%)ゴールドが含まれています。
 
・K18ホワイトゴールド(K18WG)
ゴールドと呼ばれる貴金属の中で白色(銀色)の金属です。
地色はプラチナよりも若干暗い落ち着いた色になります。
24分の18(約75%)ゴールドが含まれています。
 
・K18ピンクゴールド(K18PG)
ゴールドと呼ばれる貴金属の中でピンク色の金属です。
地色はイエローゴールドよりも若干赤身が増した色になります。
24分の18(約75%)ゴールドが含まれています。
 

 
 

2.プラチナ人気は日本特有のものって本当?


結婚指輪 オーダーメイド プラチナ
実は、結婚指輪のプラチナ人気は日本特有のものです。
海外、特にヨーロッパでは
結婚指輪の素材はプラチナよりもゴールドの方が主流です。
 
なぜプラチナが日本の結婚指輪市場で人気なのか、
その理由としては
日本人の美意識にマッチした色味を抑えた控えめな美しさであることや
戦後ジュエリーに対する関心が爆発的に高まっていった際に
現在の上皇后美智子様のご成婚の時に身に着けたティアラがプラチナだったこと、
デ・ビアス社の「婚約指輪は給料の3ヶ月分」で浸透したCMが
ダイヤモンドとプラチナの指輪だったことなどが
今の日本の「結婚指輪=プラチナ」というイメージに
積み重なって影響しているのではないかと言われています。
 
 
一方で世界のジュエリーの歴史では
ゴールドの方がプラチナよりもはるか昔から使われています。
初めて人類がゴールドを発見したのは約7000年も前と言われていて
紀元前から装身具や美術品として使用されてきました。
ガラス、ブロンズ、天然石などを一緒に使用した装身具も作られています。
 
プラチナも紀元前1500年前の小箱から発見されてはいるのですが、
それが「プラチナ」と認識して使用されていたかは定かではありません。
本格的にプラチナが貴金属として認識されたのは17世紀ごろからで、
加工法の基礎が確立されたのは18世紀後半になってからでした。
 
そう考えると、
ヨーロッパの人々がゴールドの方が
プラチナよりも馴染み深いというのも頷けますね。
 
 
次はそんなプラチナとゴールドが
どんな金属かについて詳しく書いていきます。

 

3.プラチナってどんな金属?


結婚指輪 オーダーメイド プラチナ
日本ではプラチナが人気なのは前述の通りですが
一体プラチナとはどんな金属なのでしょうか。
 
プラチナの特性
 
・希少性が高い
・一般的にゴールドよりも純度が高い
 (PT950はプラチナの含有率95%、K18YGはゴールドの含有率75%)
・金属の粘りが強いので加工性に優れ、細い爪でもしっかり石留めが出来る
・化学的に安定性が高く、大気中、高温でも変色しない
・比重が21.45と大変重く重厚感がある
・白くて美しくダイヤモンドが映えるのでブライダル向き

 
プラチナは総合的に
ジュエリー加工に向いている優れた貴金属です。
 
世界的なアメリカのジュエリーブランド、ハリー・ウィンストンも
ダイヤモンドの美しさを最大限に活かすために
プラチナ製のワイヤーを使用したジュエリーを多く作っています。
 
プラチナの粘り強さは
ワイヤーのような細い小さな爪でも
ダイヤモンドをしっかりと留めることができるので
細かい装飾にも向いています。
 
色も他の金属に比べて圧倒的に白いので
ダイヤモンドを留めると石と金属が同化したように見え
一層全体をキラキラと美しく輝かせることが出来るのも
プラチナの優れた特徴です。

 
 

4.ゴールドってどんな金属?


結婚指輪 オーダーメイド ゴールド
ジュエリーが好きな女性には
最も馴染みがあるゴールド(金)。
一体ゴールドとはどんな金属なのでしょうか。
 
ゴールドの特性
 
・希少性が高い
・世界共通の資産としても扱わている
・純金は柔らかいが、他の金属を混ぜることでプラチナより硬い金属になる
・化学的に安定性が高く、大気中、高温でも変色しない
・比重が19.3で銀より重く、プラチナより軽い。
・色の種類が豊富(イエロー、ホワイト、ピンク、レッド、グリーンetc..)

 
プラチナもゴールドも化学的に安定性が高い金属です。
酸素に触れていても、変色や腐食することはありません。
2章でも少し触れた通り
ゴールドは7000年も前から人類の歴史に登場しているので、
紀元前に作られたゴールドの装飾品を
古いジュエリーを集めた美術展覧会などでは見る事ができます。
 
これは大気中で朽ち果てる事がないゴールドの特性があったからこそ
作られてから数千年後の今でも実物を見る事ができるという訳なんです。
 
ゴールドの色は豊富で、
広く流通しているのはイエロー、ホワイト、ピンク、
珍しいのもではグリーンやレッドなどもあります。
 
これはゴールドと混ぜ合わせる金属の配合によって色が変わるため
独自の色を出すためにゴールド以外の配合比率を持っていたり、
「K18ピンクゴールド」という名前がついていても
各社、各ブランドで若干色が違う場合もあります。
 
K18ホワイトゴールドはプラチナと同じ白い色の金属です。
横に並べて比較して見ると色の白さはプラチナの方が白く、
K18ホワイトゴールドの方が若干グレーがかった落ち着いた色味になります。
 
結婚指輪 オーダーメイド プラチナ K18ホワイトゴールド※左がK18ホワイトゴールド、右がプラチナ950
 
ゴールドの硬さは、
純金は非常に柔らかい為、
大体の結婚指輪はK18の合金を使用しています。
ゴールドは別の金属を混ぜることで硬い金属になり、
その硬さはプラチナを上回ります。
 
さらにK18ピンクゴールドはK18の中でも特に硬い配合にあたります。
※厳密に言えばレッドゴールドの方がより硬いのですが加工性に非常に難があり、
市場流通が多いピンクゴールドでお話しさせていただきます。
 
日頃の傷のつきにくさや丈夫さとしては
K18ピンクゴールドは硬く優れているといえますが、
細く小さな爪を使用して石を何石も留めるデザインの場合は、
その硬さが加工のしづらさとなり
制作は不可能ではありませんがより高い技術力が必要になります。

 
 

5.まとめ


結婚指輪 オーダーメイド コンビ コンビネーション
今回は結婚指輪人気No.1の素材プラチナ、
それに次ぐ定番のゴールドがどんな素材かについてお話してきました。
 
ジュエリーを扱う立場からすると、
プラチナもゴールドもそれぞれいいところがあり
どちらの素材の方がいいというのは一概に言えません。
 
幅1.5mm以下の細い指輪の場合は
ピンクゴールドが最も硬くて強度があるので向いてると言えますし
ダイヤモンドを繊細に小さな爪で留める場合には
プラチナが最も金属の粘り気が多い分しっかり留めれて向いてると言えます。
 
ただ、そもそも結婚指輪に使われるプラチナやゴールドは
アクセサリーに使用されるシルバー925などと比べると
どちらも非常に固い素材ですし
金属の硬さは作り方や仕上げ方で調整できるので
硬さの細かい差はあまり気にし過ぎなくてもいいかもしれません。
 
フォーマルな印象の日本人に人気のプラチナ、
カジュアルでおしゃれな印象の海外で人気のゴールド、
 
選ぶときはぜひお店の人の意見も参考にしながら
自分の好みを大切に
じっくり好きな金属を選んでくださいね!
 
 
第九回では、結婚指輪のリングサイズの選び方ガイド
について徹底解剖していこうと思います!
  
次回もぜひお楽しみに。

 
 

書いた人

スタッフ 小松
ジュエリーの専門学校と御徒町のジュエリー工房で制作経験を積む。ジュエリーの商社でMDとして3年務めたのち、2019年からhitotsuchiに仲間入り。WEBサイトやSNS更新など中の人を担当。
好きなこと:代官山周辺のおしゃれなカフェやお菓子屋さん巡り

結婚指輪・婚約指輪のオーダーメイドショップ
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