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2020.06.29 Monday ブライダルコラム

【何が違うの?婚約指輪の価格とダイヤモンドとデザイン】オーダーメイド専門店が教える婚約指輪の選び方③

【第三回 何が違うの?婚約指輪の価格とダイヤモンドとデザイン】
 
婚約指輪をお探しの方へ、
 
婚約指輪を買いたいけど選び方がわからない!
プロポーズをしたいけどどんな指輪を買ったらいいの?
指輪のことを色々聞きたい!
 
そんなお悩みに答えるため
結婚指輪・婚約指輪のオーダーメイドの専門店が
婚約指輪の基本的な事から
気になる悩みをピックアップして答えてみました。
 
全5回でお送りいたします。
 

 
 

1.婚約指輪の価格 ファッションアクセサリーとの違い


オーダーメイド 婚約指輪 ソリティア
婚約指輪や結婚指輪の素材は
「貴金属」と「天然石」の組み合わせが主です。
 
それぞれ産出量が少なく非常に希少価値が高い為、
使用する金属量が多くなるほど、
より希少な素材であるほど、価格も上がります。
 
ゼクシイ2020年4月号には
婚約指輪の平均購入価格は36万8000円と記されていました。
希少な天然石や貴金属を使っている婚約指輪は
決して安い買い物ではありません。
 
ですが、最近では安価なアクセサリーでも
「天然石」を使用していたり、「金」を使用しているものもありますよね。
 
アクセサリーに比べると
婚約指輪ってどうしてそんなに値段が高いんだろう

と感じられる方も多いと思います。
 
厳密にいえば素材以外にも
制作方法や流通過程やブランド名によっても価格は変わってきますが、
今回は素材にフィーチャーして
婚約指輪とアクセサリーがどのように違うのかを書いこうと思います。

 
 

2.婚約指輪に使われる金属


オーダーメイド 結婚指輪 婚約指輪
まず、金属の違いから。
 
貴金属と言われるものの中で
よく婚約指輪に使われている金属は
「プラチナ」と「金」です。
 
プラチナと金には下記のような特性があります。
 
・化学的に安定性が高く、大気中や高温でも変色しない
・アクセサリーに使用されるシルバー925などと比べると固い素材
・希少性が高い
 
上記のような
経年による劣化が少なく、丈夫で、希少性が高いという特性から
長い間使われることを想定している婚約指輪の素材に選ばれています。
 
ではファッションアクセサリーに使われている
金色の金属は「金」とは違うものなのか?というと、
金という物質自体は同じです。
(銀や真鍮に金メッキした商品もありますがメッキに関してはここでは省略します)
 
ただ婚約指輪とアクセサリーでは同じ金を使用していても
金の含有率が違うことがあります。
 
例えば、金という素材は24分率で表記されています。
金が24分の24(全体の100%)であれば、純金です。
純金はK24や24金と表します。
 
純金は非常に柔らかい性質のため
傷つきやすく曲がりやすいので
通常、婚約指輪ではK18(18金)を使用しています。
K18は金が24分の18(全体の75%)含まれています。
 
ファッションアクセサリーに使われている金の種類はK14やK10も多く見られます。
K14は金が24分の14(約58%)、
K10は金が24分の10(約42%)です。
約半分ほど他の金属が混ざっているので
その分金の含有率が減り、金額も安くなる
というわけです。
 
金の配合比率
 
また金は貴金属の中でも安定性の高い金属ですので、
金の含有率が高ければ安定性も高く変色などを起こしにくくなります。
反対に一緒に混ぜた他の金属の比率が多いほど安定性も低くなります。
ですのでK18に比べると、K14やK10は大気中で変化を起こしやすいといえます。
 
なぜ他の金属を混ぜるかと言うと
これは金属が持つ一つの性質なのですが、
違う種類の金属同士を混ぜることによって金属は強度が増します。
K18も他の金属を25%混ぜることによって
純金にはない金属の強度を作り出しています。
金属同士が混ざったものを総じて合金と言うのですが
合金にすることによって
単一では得られなかった性質を作り出しています。
 
さらに金は他の金属の比率の違いによって
金属の色を変えることができます。
 
例えば、K18の場合
・K18イエローゴールド = 金75%、銀12.5%、銅12.5%
・K18ピンクゴールド  = 金75%、銀4%、銅19%、Pd2%
・K18ホワイトゴールド = 金75%、Pd25%
※Pd=パラジウム
 
カラーゴールドの配合比率
 
このように金以外の金属の比率を変えることによって
3色のK18を作ることができます。
 
ピンクゴールドは作るブランドによって
金以外の配合比率が違う時もあるので
お店によってもピンクの色味が少し違ったりしますよ。
 
最近見かける「K18シャンパンゴールド」や
「K18グリーンゴールド」なども
他の金属の種類や比率を変えることによってできる色です。
 
金の含有率には規定がありますが、
金以外の金属は様々な種類を自由な比率で使うことができるので
色とりどりの金合金ができると言うわけです。
 
 
プラチナは金とは違い、1000分率で表記されています。
 
では、プラチナも比率を変えて
アクセサリーに使われているのでしょうか?

 
答えはいいえ。
国際基準では純度の高いプラチナ950(95%)以上でないと
プラチナ製とはいいません。
日本には独自の基準がありますが
それでもプラチナの配合比率が850(85%)以上ないと
プラチナ製と言うことができないので
比率を低くして安くしたプラチナのアクセサリーは存在しないはずです。
 
プラチナの含有比率
 
※存在しないはずというのは
比率の低いプラチナを作ってプラチナ製とは表記せず、
〇〇プラチナとかプラチナ〇〇という
独自の名称をつけている場合があるので明言出来ないのです。
 
 
このように
婚約指輪や結婚指輪の価格には
金属の種類と比率が影響してくると
少しでもお分かりいただければ幸いです。
 
次の章では「天然石」の違いについて書いていきます。

 
 

3.婚約指輪に使うダイヤモンドと天然石


オーダーメイド 婚約指輪
婚約指輪にはもう一つの大きな素材、
「ダイヤモンド」や「天然石」があります。
この二つによっても価格に違いが出てきます。
 
もちろん、ダイヤモンドも天然石の一つですが、
「ダイヤモンド」と「天然石」を分けて書いたのは
実はこの二つは評価基準が違うからです。
 
まずダイヤモンドには「4C」という
国際的な評価基準が存在します。

その評価基準を記したものが
「鑑定書」、「グレーディングレポート」、「ソーティング」
と呼ばれるものです。
ダイヤモンド 4C
ダイヤモンドの場合、
この国際的な評価基準である「4C」によって
価格が変わってきます。
例え大きさが同じでも、評価に違いがあれば価格に大きく差ができます。
 
ファッションアクセサリーに使われているダイヤモンドは
ダイヤモンドと書いてあればダイヤであることに間違い無いと思いますが、
基本的に4Cの評価がつかないものが使用されます。
そうなるとダイヤモンドの価格も下がるので
製品自体の価格も抑えめになってきます。
 
反対に婚約指輪のダイヤモンドは品質が重要視されるため
多くのお店が4Cの評価がついて、
かつその中でも白く美しい
評価の高いダイヤモンドを用意しています。

自ずとダイヤモンドの価格も上がるので
アクセサリーに比べると婚約指輪の方が価格が高くなります。
 
ちなみに、
ハーキマーダイヤモンドという天然石もありますが、
これはダイヤモンドではなく水晶の一種です。
採掘時の形が既にカットされた後のような形をしているところが珍しく
大きめの透明石でとても可愛い石ですよね。
 
 
一方で「天然石」にはダイヤモンドのような
国際的な評価基準はありません。

天然石には「鑑別書」というものがつく時がありますが、
これは石の種類の証明書です。
サファイヤが間違いなくサファイヤかどうか、
その石は天然かどうかを証明しています。
 
ちなみにダイヤモンドは「鑑定書」も「鑑別書」もどちらも発行可能ですが、
ダイヤモンド以外の天然石の場合は「鑑別書」のみで、
「鑑定書」を発行することはできません。
 
 
ではどのようにして「天然石」の価値を判断するのかというと、
もう綺麗と呼ばれる天然石をたくさん見て
目利きになって相場をよく知り、
この石は綺麗かどうか、価格は妥当かどうかが
わかるようになるしかないのですが、、
 
天然石には価値基準のポイントが幾つがあります。
・石自体の希少性
・石の大きさ
・色の濃淡
・色の鮮やかさ
・色が石全体にまんべんなく入っているか
・インクルージョンが見た目邪魔をしていないか
・カットが美しいか
・その石特有の特徴が綺麗に出ているか etc…
 
アクセサリーに使われる天然石は安いからと言って
決して偽物というわけではなく天然石であることがほとんどだと思います。
ただ、色の発色や照りがなかったり、形が悪かったり中に大きな傷があったりと、
婚約指輪などに使われているものに比べると
価格に比例して品質が低いものが使用されています。
なのでアクセサリーに天然石を使用しても
価格を抑えることができます。
 
反対に婚約指輪に使われている天然石
その指輪の価格にもよると思いますが
ダイヤモンドと同じく「価値が高い石」を留めているため
価格が高くなります。

特に3大貴石と言われる「ルビー」「サファイア」「エメラルド」
綺麗なものであればあるほど高価で
物によってはダイヤモンド以上の価値を持つものもあります。
 
全ては説明しきれていませんが、
天然石はその希少価値と石の状態を見極めて、
その中でもより良い物を選んでいるので
婚約指輪のようなジュエリーに留める天然石は高価になるというわけです。
 
長々と書いてしまいましたが、
アクセサリーと婚約指輪に使われるダイヤモンドや天然石の違いでした。
 
ダイヤモンドの4Cについてさらに詳しく知りたい場合は
こちらもご覧ください。
ダイヤモンドの基礎知識 美しさの基準は4C

 
 

4.婚約指輪の色んなデザイン


オーダーメイド 婚約指輪
こちらの章では王道な婚約指輪のデザインをいくつかご紹介いたします。
 
 
・ソリティア
婚約指輪 オーダーメイド ソリティアHER013 ¥110,000[K18] ¥132,000[PT950]
ソリティアは一個石とも呼ばれるデザインで
その名の通り一粒の石がついた指輪です。
ダイヤモンドだけでなく、他の石でも一粒ならソリティアと呼ばれています。
シンプルでかつ汎用性の高いデザイン。
装飾が少ない分石がよく目立ちますので
質の良いダイヤモンドを選んだ方がより綺麗です。
THE婚約指輪といえばこのデザインです。
 
 
 ・取り巻き
婚約指輪 オーダーメイド 取り巻きHER038 ¥159,500[K18] ¥181,500[PT950]
センターストーンをくるりと小さなメレ石が取り巻くデザイン。
雰囲気はソリテールよりもパッと華やかで
可愛らしさも演出できる女性らしいデザインです。
中心の横幅が大きくなるので結婚指輪と一緒につける場合は
中央の石座の高さ意識したり、結婚指輪を婚約指輪に沿うようなデザインにすると
素敵に着けられますよ。
  
 
・サイドストーン
婚約指輪 オーダーメイド サイドストーンHER006 ¥187,000[K18] ¥209,000[PT950]
センターストーンの両脇に石をセットしたデザイン。
石座部分のリングの幅があまり飛び出ないので
結婚指輪との重ね付けもしやすいです。
 
 
・エタニティ
婚約指輪 オーダーメイド エタニティHER025 ¥275,000[K18] ¥297,000[PT950]
一周途切れることなく石が留められているデザインのものをフルエタニティ、
半周石が留められているデザインのものをハーフエタニティと言います。
近年はこのエタニティリングもとても人気です。
「エタニティ=永遠」という意味的にも婚約指輪にぴったり。
石の大きさで可憐にも豪華にもなります。
 
 
・パールの婚約指輪
婚約指輪 オーダーメイド パールHER002 ¥104,500[K18] ¥126,500[PT950]
ダイヤモンドが婚約指輪として普及する前は
日本ではパールの婚約指輪が主流だったのをご存知でしょうか。
冠婚葬祭などでも使用され日本人にはなじみの深い海の宝石です。
今世に出ているパールは基本的に養殖で出来ているのですが
世界で初めてパールの養殖を成功さたのは実は日本人なんですよ。
 
 
・ダイヤと腕が一体化タイプの婚約指輪
婚約指輪 オーダーメイド ソリティアHER023 ¥137,500[K18] ¥159,500[PT950]
ダイヤモンドがでっぱらず、ダイヤと腕が一体化しているタイプの婚約指輪。
当店でも人気のデザインです。
何より引っ掛かりが少ないので日常的にも使いやすく
シンプルなデザインはどんなファッションにも合いやすいです。
 
 
当店では他にも様々な婚約指輪をご用意しております。
他の婚約指輪のデザインはこちらからご覧ください。
hitotsuchi 婚約指輪一覧

 
 

5.婚約指輪の普段使いについて


婚約指輪 オーダーメイド
婚約指輪はとても可愛いのですが、
高価であること&大切にしすぎることで
ずっとしまっているという方も多くいらっしゃいます。
 
でも最近は、
出来るだけ結婚指輪と一緒に婚約指輪も普段使いしたい!
というご意見も増えています。
 
婚約指輪は、普段使いしてもいいのでしょうか?
 
もちろんOKです!
お仕事柄や生活習慣にもよるかと思いますが、
毎日着けてはいけないという事はありませんよ。
 
さらに選びかたで日常的にもつけやすくなると思います。
 
どんなものを選べば
婚約指輪が日常的に着けやすいかというと
以下の4点を気にしてみてください。
 
・結婚指輪のカーブに合う
・センターストーンの高さが抑えてある
・強い石を使っている
・デザインにある程度のボリュームがある
 
・結婚指輪のカーブに合う
重ね付けする場合は結婚指輪のカーブと婚約指輪のカーブが
ぴったりしている方がよりつけやすいです。
同じ購入店で選んだり、オーダーなどをして
二つの指輪のカーブがぴったり合うものをお勧めいたします。
もちろんそれぞれ違う指に単独でつけるのもアリですよ。
 
・センターストーンの高さが抑えてある
センターストーンが高いと洋服の脱ぎ着や日常の動作の中で
婚約指輪が引っかかったりぶつけてしまったりします。
出来るだけ石の部分がでっぱりの少ない指輪を選んだ方が
つけたままでの生活が送りやすいと思います。
 
・強い石を使っている
繊細な石を使った婚約指輪もあります。
繊細な石の場合は、水やお湯などにも弱かったりしますので
どちらかといえば使う時にだけ着ける方が安心です。
反対に普段使いにお勧めの石は「ダイヤモンド」。
絶対に何があっても割れないということではないので
お取り扱いは他の石同様に優しくしていただきたいのですが、
「ダイヤモンド」は他のどの石よりも変化に強く
硫酸、硝酸、塩酸などの劇物にも侵食されません。
汚れた場合は中性洗剤で洗うこともできるので
もしも婚約指輪の日常使いをお考えの場合は
「ダイヤモンド」をお勧めいたします。
 
※石は硬いものですが、絶対に割れないものではありません。
金属のように溶かしてまた繋げるという修復ができません。
事前に指輪に負荷がかかることがわかる場合は
外していただけると指輪を長く綺麗に保つことができますよ。
 
・デザインにある程度のボリュームがある
デザインが細く繊細な場合、
とても可愛らしい婚約指輪になると思うのですが、
強い力を加えると指輪や爪が曲がってしまったり
あまりに曲がりが強いと石が外れることもあります。
お店の方と相談しながらボリュームに気をつけて選べば
結婚指輪同様に普段使いも可能です。
 
もし普段使いをお考えの場合は
この4点を気にして選んでみてくださいね。
石の部分だけは少し注意が必要ですが、
せっかくの婚約指輪、
お店のアフターサービスなども駆使して
楽しく婚約指輪を着けていただければと思います。

 
 

6.まとめ


第三回はいかがでしたでしょうか。
アクセサリーに使われる素材の違いや
ダイヤモンドについて、
さらに婚約指輪の普段使いするための選び方などを書いていきました。
 
 
第四回は、婚約指輪のお返しって何?
について書いていこうと思います。
  
次回もぜひお楽しみに。

 
 

書いた人

スタッフ 小松
ジュエリーの専門学校と御徒町のジュエリー工房で制作経験を積む。ジュエリーの商社でMDとして3年務めたのち、2019年からhitotsuchiに仲間入り。WEBサイトやSNS更新など中の人を担当。ジュエリーコーディネーター3級。
好きなこと:代官山周辺のおしゃれなカフェやお菓子屋さん巡り

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