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2020.07.17 Friday ジュエリーの知識

デザインの知識① 「ミルグレイン」って何?

こんにちは。
スタッフの小松です。
 
湿気で部屋の空気が篭るので、
サーキュレーターを買ってみました。
 
無印良品のサイトに
サーキュレーターの効果的な使い方
書いてあったのですが(ページ下部です)
壁に向けると室内でも風が流れるとのこと。
 
これがとても良かったです。
風は直接は当たらないのですが
そよそよと壁を伝って流れているような気がします。
 
エアコンの冷気も回してくれるので
おすすめです。
 
 
 
さて、今回は誕生石のお話ではなく、
デザインの知識をお届けします。
 
人とジュエリーの歴史は古く、
それは紀元前まで遡ります。
 
何千年も前の人々が
使っていたジュエリーの形や装飾。
当時のままというわけではありませんが、
技術や意味が受け継がれ
現代でも使われているものもあります。
 
そんな中でも
結婚指輪や婚約指輪にもよく使われている
形や装飾について1つずつご紹介していこうと思います。
 
 
結婚指輪 オーダーメイド 
 
第一回は「ミルグレイン」について。
 
ミルグレインは連続した玉模様のラインで、
ジュエリーの金属部分に施す装飾の一つです。
 
結婚指輪や婚約指輪などのデザインで
石の周りや、指輪の縁やセンターなどに
粒々としたラインを見たことはないでしょうか。
 
人の手でミルグレインを施す場合は
専用の道具「ミルタガネ」を使って
金属に小さな粒の柄を一つずつ連続して打ちつけます。
道具を使って打ちこむ動作から
「ミル打ち」とも呼ばれます。
 
小さな指輪にさらに小さな連続した粒を
均等に、まがる事なく打ち込んでいくので
集中力と高い技術力が必要です。
 
結婚指輪 オーダーメイド ミルグレイン 槌目 コンビネーション
 
英語ではmilgrainと書きます。
語源はラテン語で
Mil ミルは「千」、
Grain グレインは「粒」という意味です。
 
大きな数を意味する言葉が入っているものは
縁起がいいものが多いですよね。
千は「永遠」、「子孫繁栄」、「長寿」など
長く続く幸せや、代々続いていくことを連想させますし、
ミルグレインの装飾は指輪一周途切れることなく施す事が多いので
縁起物としても好まれ結婚指輪などにはよく使われています。
 

 
【ミルグレインの指輪の雰囲気】
 
ミルグレインは
ヨーロッパの貴族に人気の装飾でした。
アンティークのジュエリーにもよく使われているので、
指輪にミルグレインを付けることで
クラシカルな雰囲気を纏わせてくれます。
シンプルなリングに施すと、
目立ち過ぎず品の良いアクセントにもなりますよ。
 
 
【ミルグレインに向いている指輪】
 
一般的にミルグレインは
「ミルタガネ」という道具を使用して
指輪の両縁に入れます。
両縁だけでなく中央に一本だけ入れることもできます。
指輪の形状は甲丸リングでも平打ちリングでも大丈夫です。
剣腕と言われる腕が三角形の指輪も
中央にミルグレインを入れられます。
また、ミルグレインで石の周りを
ぐるりと一周する事もできます。
石の周りに金属がある事が条件なので、
石は覆輪留めや伏せ込みという留め方で留めます。
 
 
【ミルグレインの結婚指輪・婚約指輪】
 
当店のセミオーダーでは下記のような
ミルグレインを施したクラシカルな雰囲気の
結婚指輪と婚約指輪をご用意しています。
一部抜粋してご紹介いたします。
画像をクリックすると商品詳細へ飛べるので
是非ご参考になさってください。
 
・ミルグレインの結婚指輪
 
『千の(ミル)粒(グレイン)』は古くから
幸せが繁栄する縁起のいい装飾として知られ
一つ一つ手作業で刻まれる繊細で美しいミルが
デザインを一段と引き立てます。
HMR013 ¥154,000[K18]  ¥165,000[PT950]結婚指輪 オーダーメイド ミルグレイン ミル打ち
 
HMR063 ¥104,500[K18]  ¥115,500[PT950]結婚指輪 オーダーメイド ミルグレイン ミル打ち
 
ダイヤモンドの周りには
1粒1粒ミルグレインを施し、
クラシカルな装いに仕立てました。
HMR061 ¥132,000[K18]  ¥143,000[PT950]結婚指輪 オーダーメイド ダイヤモンド ミルグレイン ミル打ち
 
異なる2つのリングを
ぴったり嵌め合わせて作るデザイン。
大きめの槌目と繊細なミルグレインを施し、
職人の手仕事と感性がギュッと詰まっています。
HMR065 ¥143,000[K18]  ¥154,000[PT950]結婚指輪 オーダーメイド コンビネーション ミル打ち 槌目
 
 
・ミルグレインの婚約指輪
 
石座は絶妙なズレが出るように
手作業で1つ1つ繋げ、
ダイヤの周りには伝統的な
ミルグレイン(玉の連続模様)の
装飾を施しました。
HER025 ¥297,000[K18]  ¥308,000[PT950]婚約指輪 オーダーメイド エタニティ ミルグレイン
 
時代を超えて受け継がれる繊細な手仕事が
ダイヤモンドの魅力を一層引き立てます。
デザイナーお勧めの高級感のある
ハーフエタニティの1本です。
HER030 ¥286,000[K18]  ¥297,000[PT950]婚約指輪 オーダーメイド 取り巻き ミルグレイン ミル打ち
 
リングの腕の断面を三角にすることで
ミルが際立つのに加え、
強度は保ちながらより細身な印象にしています。
HER034 ¥176,000[K18]  ¥187,000[PT950]婚約指輪 オーダーメイド ソリティア ソリテール ミルグレイン ミル打ち
 
甘すぎない細身のフォルムが
手元からさりげなく個性を引き立ててくれます。
HER039 ¥170,500[K18]  ¥181,500[PT950]婚約指輪 オーダーメイド ティアラ クラシカル  ミルグレイン ミル打ち
 
 
 
ついでに、
紀元前のジュエリー技法の中に
「粒金細工」というものがあります。
写真はないのですが、こちらも
金の粒をきれいに並べたり敷き詰めたものが多いです。
「千の粒」を意味するミルグレインと
なんだか似ています。
 
似ていると言っても作り方は違く、
打ち込んで粒の柄をつけるミルグレインに対し、
粒金細工は金の粒を一粒一粒作り
ジュエリー に「溶接」する細工です。
この金の粒、紀元前で作られたものの中で
小さいものでは0.15mmを切るものもあったそうです。
 
電気などない時代です。
気の遠くなるような作業だったろうな
というのは容易に想像でき、
当時粒金細工を作っていた人々は
技術力が高かったことがうかがえます。
 
紀元前に生まれたこの粒金細工は
一度衰退し技術が途絶えてしまうのですが、
19世期にイタリアの遺跡から
完璧に仕上げられた粒金細工が発掘されたことにより
それに注目した金細工師が技術を蘇えらせました。
 
ミルグレインと似ている細工なので、
もしかしたら何か関係があったのかな
なんて思ってしまいます。
 
美術展などで
ミルグレインや粒金細工のジュエリーを見かけたら
そんなこともちょこっと思い出してみてください。
 
今回は「ミルグレイン」のお話でした。
次回もお楽しみに。
 
 

書いた人

スタッフ 小松
ジュエリーの専門学校と御徒町のジュエリー工房で制作経験を積む。ジュエリーの商社でMDとして3年務めたのち、2019年からhitotsuchiに仲間入り。WEBサイトやSNS更新など中の人を担当。ジュエリーコーディネーター3級。
好きなこと:カフェやお菓子屋さん巡り、刺繍、カメラ、映画、読書

結婚指輪・婚約指輪のオーダーメイドショップ
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TEL 03-6455-0972
MAIL info@hitotsuchi.com
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