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デザインの知識② 「唐草文様」について
こんにちは。
スタッフの小松です。
突然ですが、
ドビュッシーのアラベスクという曲をご存知ですか？
流れるような旋律がとても好きなのですが、
今回のテーマ「唐草文様」が
英語で「アラベスク」である
ということを初めて知りました。
確かに、曲を聴きながら
唐草文様の様に
植物の蔦が伸びていく様を想像すると
ぴったりかもしれません。
youtubeにも上がっているので
よかったら聴きながら読んでみてください。
デザインの知識、
第二回は「唐草文様」です。
唐草文様をご存知でしょうか。
泥棒がかついでいる緑色の風呂敷の柄
と言えばピンとくる方が多いでしょうか。
唐草文様は
植物の蔦が曲線で絡まり合うように描かれた
連続している文様です。
泥棒、、という印象がついてきてしまいますが、
生命力の強い蔦がどこまでも続くことから
「長寿」や「繁栄」という意味を持つ
縁起の良い柄とされています。
唐草文様はジュエリーにも使われています。
なんだか和風だし、なんでジュエリーに？
と思われるかもしれませんが、
実は、唐草文様は日本が起源の柄ではなく、
紀元前に古代オリエント（メソポタミア）で生まれギリシアで確立し
世界各地へ伝播していった柄です。
アジアへはシルクロードから
入ってきたと言われています。
英語では唐草文様を
Arabesque アラベスク と言います。
アラベスクはアラビア風のという意味もあります。
ご存知の方も多いと思いますが
「アラベスク」で画像検索すると
青く美しいモスクの天井の柄などが出てきます。
あれもアラベスク、唐草文様なんですね。
同じ唐草文様なのですが
日本の風呂敷のイメージと比べると
左右対象で文様も細かく色鮮やかです。
シルクロードを経てアジアに広まっただけでなく、
中東、ヨーロッパ各地まで
この唐草文様は各国で少しずつ形を変えながらも
「植物の蔦が力強くどこまでも続く」
という根本的な意味は変わらずに進化していきました。
古い歴史を持ち世界各地にある唐草文様、
日本では刀の鍔（つば）や、仏具に使われていましたが、
中世ヨーロッパでは
建造物の他に指輪や、ネックレス、
ティアラなどのジュエリーにも使われていました。
金属の部分に唐草の彫りを入れたり、
針金状の金属を曲げて唐草の形にして
透かしにしたり、
石やガラスなどに文様を彫刻したりなど
様々な形でジュエリーに
唐草文様を取り入れていたようです。
【唐草文様を結婚指輪・婚約指輪に入れるには】
現代では結婚指輪に唐草文様を彫ったり、
ワックスを使用して透かしにしたり、
反対に文様部分を凸型にしたものもあります。
一般的には金属部分に彫りを入れる事が多いと思います。
職人さんがタガネを使って手で彫る場合もありますし、
現在ではCADなどを使用して
データでも作る事ができます。
【唐草文様の指輪の雰囲気】
結婚指輪などに唐草文様を彫り入れる場合、
指輪の一部に入れるというより、
指輪全体に柄が入るので華やかな指輪になります。
ダイヤモンドとはまた少し違う華やかさです。
アンティークジュエリーや
ヨーロッパの建造物にも使われているので
ミルグレインなどと組み合わせると
よりクラシカルな印象になりますよ。
【唐草文様に向いている指輪】
唐草文様の彫りを入れる場合は、
結婚指輪や婚約指輪が細いと
線の細い柄も相まって繊細なイメージになります。
くっきりと柄を出す場合は
指輪の幅がある程度あった方が
綺麗に文様が出ますよ。
【唐草文様を施したフルオーダーメイドの結婚指輪】
当店のセミオーダーには
唐草文様の結婚指輪・婚約指輪はないのですが、
過去にこんなフルオーダーを承った事があります。
是非ご参考にしてみてください。
フルオーダー制作事例 NO.90植物の蔓を彫り入れた結婚指輪
“少ない線でバランスよく彫ることで
和すぎずハワイアンすぎず、
素敵な植物文様の結婚指輪となりました。”
フルオーダー制作事例 NO.115思い思いのV字の結婚指輪
“同じV字の２本ですが
ボリュームや表面の加工のアレンジで
それぞれ違った表情を見せてくれます。
お二人それぞれのこだわりが詰まった
世界で１つずつのV字の結婚指輪が完成しました。”
フルオーダー制作事例 NO.119唐草を彫り入れたV字の結婚指輪
“流れるようなV字のカーブに
唐草の動きのある彫りが足され
シンプルながら流動的な美しさが目を引く結婚指輪でした。”
唐草文様はジュエリーだけでなく
建物の装飾、絵画の中や、洋服など
あらゆる部分で使われています。
日本のお寺、美術展の絵画、
またご旅行などでヨーロッパの建物やモスクを
見る機会がありましたら是非探してみてください。
きっと唐草文様を見つける事ができると思います。
今回は「唐草文様」のお話でした。
次回もお楽しみにしてください。
参照：海野弘 ヨーロッパの装飾と文様
書いた人
スタッフ 小松
ジュエリーの専門学校と御徒町のジュエリー工房で制作経験を積む。ジュエリーの商社でMDとして３年務めたのち、2019年からhitotsuchiに仲間入り。WEBサイトやSNS更新など中の人を担当。ジュエリーコーディネーター3級。
好きなこと：カフェやお菓子屋さん巡り、刺繍、カメラ、映画、読書
hitotsuchi 東京代官山 東京都渋谷区猿楽町22-13
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