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2021.01.21 Thursday ジュエリーの知識

デザインの知識11 吉祥文様

明けましておめでとうございます。
スタッフの小松です。
 
年明け一発目のデザインの知識は
縁起の良い「吉祥模様」。
 
年明けらしさ満々で
お送りしたいと思います。
 
 
 
結婚指輪 オーダーメイド 紗綾形
 
デザインの知識
第11回は「吉祥文様」です。
 
縁起が良い動植物や物を書いた模様を
総称して「吉祥文様(きっしょうもんよう)」
と言います。
 
古いものでは古墳時代から、
土偶や着物や調度品などに
使われていたそうです。
 
和柄として親しまれているものも多いのですが、
日本特有の柄というよりも
意外と外国から入ってきたものが多い文様たち。
 
今回はそんな吉祥文様の中から
いくつかご紹介したいと思います。
 
 
 
吉祥文様 麻の葉
・麻の葉(あさのは)
規則的な六角形と三角形を繰り返す幾何学模様。
麻という植物は日本人には馴染みが深く、
衣類などで多く使われていました。
麻の虫がつきにくく、生命力が強いことから、
赤ちゃんがすくすくと育つようにと
産着に多く使われていたこともあります。
魔除け・厄除け・無病息災といった願いも込められています。
 
 
 
吉祥文様 唐草
・唐草(からくさ)
古代エジプトで生まれ
シルクロードを渡って日本に入ってきた文様。
英語ではアラベスクと言います。
生命力の強い蔦がどこまでも伸びていく様子から
「長寿」や「繁栄」という意味を持っています。
他の植物と合わせたも
「葡萄唐草」や「牡丹唐草」などもあります。
唐草紋様についてはより詳しくこちらにも書いています。
デザインの知識②「唐草文様」
 
 
 
吉祥文様 鱗
・鱗(うろこ)
三角形が交互に並んだ幾何学模様。
室町時代には陣羽織などにも使われていたそうです。
今では鱗で身を守る、身を固めるなどの意味を持ち
女性の厄除けとして
長襦袢などに使われるそうですよ。
 
 
 
吉祥文様 亀甲
・亀甲(きっこう)
鶴は千年、亀は万年という言葉あるように、
長寿の縁起物とされている亀の甲羅をかたどった
六角形の連続柄です。
ちなみに、少し前からファッションアクセサリーでは
「べっこう」という柄が流行っていますが、
実は本物の「鼈甲」はプラスチックではなく
タイマイという亀の甲羅からできています。
動物の体の一部ということもあり、希少で高価な上、
どんな人でも手にすることができる素材ではありませんが、
特別に許可を取って鼈甲をジュエリーや眼鏡の枠に加工し
専門で扱うお店などは今でもあります。
 
 
 
吉祥文様 紗綾形
・紗綾形(さやがた)
卍を斜めにして迷路のように組み込んだものを言います。
元々は万字繋ぎといい、紗綾という生地に頻繁に織り出されいたため
紗綾形と呼ばれるようになったそうです。
家の繁栄や長寿を願う不断長久の吉祥文様です。
 
 
 
吉祥文様 青海波
・青海波(せいがいは)
半円を並べて鱗状にすることで
穏やかな波を表している文様です。
こちらもシルクロードを伝って日本に入ってきたとされています。
平安時代の雅楽に「青海波」という舞曲があり、
舞人の衣装に波模様が入っていたため
「青海波」と呼ばれるようになったそうです。
穏やかな波がどこまでも続く様から、
未来永劫、平和な暮らしという願い込められています。
 
 
 
吉祥文様 矢絣
・矢絣(やがすり)
矢羽を図案化した模様で
羽の部分を縦に並べた幾何学的な模様です。
日本に古くからある文様で、
本来は矢羽模様の絣を意味していました。
絣とは織物の技法の一つです。
江戸時代には結婚する際に矢絣の着物を持たせ、
「射った矢が戻ってこない」ことから、
嫁ぎ先から出戻ってこない縁起物とされていました。
出戻る必要のない良い所でありますようにという
優しい願いも込められていたと思います。
 
 
 
吉祥文様 七宝
・七宝(しちほう・しっぽう)
4つの楕円で構成される七宝の文様。
さらにそれを並べると「七宝繋ぎ」になります。
円(縁)がつながっていく様から、
円満、調和、ご縁などの意味や
無限につながっていくことから子孫繁栄の意味があります。
七宝は元々は仏教における7つの宝物のことです。
七宝という名が付いたのは
人の繋がりは宝物と同じくらい価値のあるものだ
ということを表しているそうです。
 
 
 
吉祥文様 七宝 市松文様 市松模様
・市松文様(いちまつもんよう)
色違いの四角を交互に並べた模様です。
元々は「石畳」や「霰(あられ)」と呼ばれていた文様で、
日本では古墳時代から親しまれていました。
市松文様という呼び名に変わったのは江戸時代から。
歌舞伎役者の佐野川市松が演目でこの模様の袴を履いたことから
「市松文様」と呼ばれるようになりました。
こちらも途切れることなく続いていくことから
「繁栄」という意味が込められています。
 
 
 
今回は縁起の良い
吉祥文様について書いていきました。
 
中には複雑な文様もありますが、
レーザー刻印というものを施すと
結婚指輪の内側や外側に
ご紹介したような模様を彫ることができます。
内側にポイントとして入れても
可愛らしいと思います。
 
参考までにレーザー刻印の例をご紹介いたします。
 
結婚指輪 オーダーメイド 紗綾形制作事例No.216 紗綾形を彫った結婚指輪
 
こちらのフルオーダーのお客様は
江戸時代に実際にあった
着物の裏地を華やかにする着方をコンセプトに
結婚指輪の裏側全体に紗綾形をお入れしました。
 
また文様だけでなく
家紋やオリジナルのイラストを入れる方も
いらっしゃいます。
 
結婚指輪 オーダーメイド 家紋 レーザー彫り
 
結婚指輪 オーダーメイド ニコちゃんマーク制作事例No.225 手書きのニコちゃんマークの結婚指輪
 
レーザーデータの作成は当店でもできますので
気になる方はお気軽にご相談くださいね。
オリジナルロゴのデータ制作費と
レーザー彫りの価格の目安は
1本/¥16,500(税込)~となっています。
 
 
 
年明け一発目のデザインの知識は
いかがでしたでしょうか。
和柄といっても意外と
外国で生まれたものが多かったり、
歌舞伎役者や雅楽の演目によって
文様の呼び名まで変わっていたりして
面白い発見が沢山ありました。
 
今回のデザインの知識はこれまで。
次回もお楽しみに。
 
 
参照 wikipedia
吉祥文様 麻の葉文様 唐草模様 紗綾形 
青海波 矢絣 七宝 市松模様 

書いた人

スタッフ 小松
ジュエリーの専門学校と御徒町のジュエリー工房で制作経験を積む。ジュエリーの商社でMDとして3年務めたのち、2019年からhitotsuchiに仲間入り。WEBサイトやSNS更新など中の人を担当。ジュエリーコーディネーター3級。
好きなこと:カフェ・お菓子屋さん巡り、刺繍、カメラ、映画、読書

結婚指輪・婚約指輪のオーダーメイドショップ
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