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2021.06.14 Monday ジュエリーの知識

6月の誕生石 真珠

こんにちは、
スタッフの小松です。
 
時々花屋さんで葉っぱを買ってきて
ガラスの小瓶に飾るのが好きなんですが、
 
最近やたらと葉っぱが育ちます。
 
チョキンと切られた状態なのに
だめになることなく
ぐんぐん伸びてくる葉っぱ。
 
ここ1ヶ月くらい
小さなユーカリが窓辺に居座っていて
生命力に驚きつつも愛着が湧いてきました。
 
誕生石 パール
今回は6月の誕生石
「真珠」について。
 
6月の日本の誕生石には
ムーンストーンもあります。
別の記事でご紹介しているので
そちらもぜひご覧ください。
6月の誕生石 ムーンストーン
 
 
真珠は
ご存知のとおり白く丸い宝石です。
 
鉱物は大地が作り出すものですが、
真珠は貝が作り出しています。
 
珊瑚のように
生物そのものが宝石になるものもありますが
生物が作り出している宝石は
真珠くらいかもしれません。
 
他の誕生石同様に、真珠もはるか昔から
人間の文化の中に存在していた宝石です。
 
紀元前から存在し
神様への供物に使用され
旧約聖書・新約聖書に登場し
クレオパトラに飲まれたりしています。
※気になる方はクレオパトラ 真珠 飲む
で調べてみてください。
 
日本でも「日本書紀」や「古事記」、「万葉集」に
「たま」「まだま」「しらたま」という表記で
登場しています。
 
さてそんな真珠は、
今でも高価なものではありますが
昔はさらに高価なものでした。
 
なぜなら、全て天然だったからです。
天然でできる真珠のことを
天然真珠と言います。
 
 
・天然真珠はどうやってできるのか
ところで自然界の中で
どうやって貝が天然真珠を作り出すか
ご存知でしょうか。
 
実は、貝殻を作る軟体動物であれば
真珠を作り出すことはできます。
 
ジュエリーに使えるほど
綺麗かどうかはさておき
シジミもアサリも
真珠と同じ構造のものを作ることはできます。
 
ただしニワトリが卵を産むように
貝がコンスタントに真珠を産んでいる
というわけではありません。
 
貝の中で真珠ができる仕組みは
元々は貝が外から入ってきた異物から
身を守るための防衛機能なんです。
 
例えば砂や石や寄生虫が
貝の中に入ってきた時に
貝は侵入した異物を
貝殻の組織で包み込んで固め
貝にとって無害なものにしようとします。
 
そうして異物を貝殻の組織で包んでできるのが
天然真珠です。
 
その真珠が入っている貝を
たまたま人間が見つけて
初めて人が手にすることができる、という
昔の天然真珠は
とんでもなく偶然の産物から
獲得できるものでした。
 
真珠は鉱物のように
削ったりして形を整えることができないので
形も色も綺麗なものとなれば
さらに貴重で高価だったろうと
想像できる思います。
 
 
・現在の真珠は天然?
では今、売っている真珠は
天然と養殖どちらなのでしょうか。
 
正解は
現在真珠やパールと言われて販売されているものは
ほとんど全て養殖です。
 
価格が高くても安くても
本真珠でも淡水パールでも
基本養殖でできています。
 
なぜ養殖なのかというと
まず天然真珠では
今ほど流通する量が揃いません。
 
宝石と言ってもいわば海産物ですので
偶然大量に獲れるところが見つかっても
取り尽くしてしまうと
再度獲れるようになるまでに
とても時間がかかりますし
形やサイズもまちまちです。
 
天然真珠では安定供給ができないので、
丸く美しい真珠が沢山獲れるように
世界中の人々が真珠の養殖の研究を始めました。
 
しかもこの真珠の養殖には
日本人が大きく関わっています。
 
日本でも養殖の研究をしており
1890年ごろ、世界で初めて真珠の養殖に成功したのが
MIKIMOTOの創業者である
御木本幸吉さんが率いていた
日本の研究チームでした。
 
真珠の養殖の方法は
すごく簡単に説明すると
程よく成長した貝を仮死状態にして
丸い真珠が作られるよう丸い核と貝の組織を入れ、
再度海で貝を育てあげ、真珠を採ります。
 
上記のように書くと簡単なようですが、
1つの真珠が出来上がるのに
約四年ほどかかるそうです。
 
その間にもただ放置するのではなく、
健康状態のチェックや貝の掃除なども行い
真珠が採れるまで貝を大事に育てます。
 
養殖になったから簡単に採れるようになった
というわけではなく、
自然と人が協力してゆっくりと
綺麗な真珠を作り上げているんですね。
 
この養殖の成功という背景からも
真珠は日本と関係が深い宝石の1つと言えます。
 
また、世界でも日本産の真珠は良質であると
ブランド視されているんですよ。
 
 
・真珠の種類
真珠にはいくつか種類がありますので
代表的なものを6種類ご紹介いたします。
 
・アコヤ真珠
一番ポピュラーな種類の真珠で
海で育つアコヤ貝からとれます。
日本で養殖されている多くがアコヤ貝です。
他の貝に比べると小粒ですが
色や品の良さが際立ちます。
3〜8mmくらいの大きさのものが
広くジュエリーとして使用されいますが
9mm以上の大粒のものもあり、
大きくなるほど貴重で高価になります。
 
・白蝶真珠
シロチョウガイという
大きめの貝から採れる真珠です。
アコヤ真珠よりも大粒で、
シルバーリップと言われるものからは銀色の真珠が、
ゴールドリップと言われるものからは
金色のゴールデンパールが採れます。
 
・黒蝶真珠
クロチョウガイという貝から採れる真珠です。
こちらは黒真珠とも言われます。
黒と一言に言っても色は様々で
グリーン、シルバー、ブルー、グレー、
ブラウン、レッド、イエローなどを
見ることができます。
中でもピーコックグリーンと呼ばれる色は
黒蝶真珠の中でも特に美しいとされています。
 
・淡水真珠
アコヤ・シロチョウ・クロチョウは海に生息していますが、
河や湖などの淡水に生息する貝からも真珠が取れます。
イケチョウガイやヒレイケチョウガイという貝から採れる
淡水真珠です。
先程の3つに比べると比較的安価で
アクセサリーに使用されることが多く
着色されたものや丸以外の形もあり
カジュアルに楽しめる真珠として親しまれています。
 
・マベパール
マベ貝という大型の貝から採れる半球状の真珠です。
他の真珠とは違い、
貝殻の内側につくように造られるので
半円になり、サイズも大ききめです。
丸以外にもハート型やしずく型なども作られています。
 
・コンクパール
カリブ海に生息するピングガイから採れる
ピンク色の真珠です。
先ほどから真珠は養殖ですと書いていますが
唯一、巻貝のため養殖ができない真珠が
このコンクパールになります。
鮮やかなピンク色で
質の良いものにはフレームと呼ばれる
火焔模様が浮かび上がります。
 
 
 
今回は6月の誕生石
「真珠」についてご紹介いたしました。
 
ダイヤモンドやルビーなどの
鉱物とは違う
鈍く優しい輝きを放つ真珠。
 
意外と種類が沢山あるんだなと
思われた方も多いのではないでしょうか。
 
白い真珠だけでなく、
形・大きさ・色が様々なので
誕生石としてお気に入りのものを
探してみるのも楽しいかもしれませんね。
 
次回は8月のサードオニキス、
縞瑪瑙についてご紹介する予定です。
 
今回はここまで。
次回もお楽しみに。
 
 
 
wikipedia 真珠
ジュエリーコーディネーター 3級テキスト
ジュエリーの世界史 山口遼

書いた人

スタッフ 小松
ジュエリーの専門学校と御徒町のジュエリー工房で制作経験を積む。ジュエリーの商社でMDとして3年務めたのち、2019年からhitotsuchiに仲間入り。WEBサイトやSNS更新など中の人を担当。ジュエリーコーディネーター3級。
好きなこと:カフェ・お菓子屋さん巡り、刺繍、カメラ、映画、読書、居合道

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