BLOG ・ ブログ


2021.05.03 Monday ジュエリーの知識

5月の誕生石 翡翠

こんにちは、
スタッフの小松です。
 
3月の終わりから初めた居合道、
しっかり続けております。
 
稽古後の筋肉痛が
最初は1週間くらい治らなかったのが
最近は2日間くらいで全快するようになりました。
順調に鍛えられているようです。
 
筋肉は裏切らない・・・
今まさにそれを感じています。
 
 
誕生石 5月 翡翠
今回は5月の誕生石、
翡翠(ひすい)について。
 
5月の日本の誕生石には
エメラルドもあります。
別の記事でご紹介しているので
そちらもぜひご覧ください。
5月の誕生石 エメラルド
 
翡翠という言葉は
中国では元々カワセミを表す言葉で
いつの間にか宝石も意味するようになりました。
 
石言葉は「幸福」「福徳」です。
 
そして翡翠と一言に言っても
実は2つの鉱物のことを指すということを
ご存知でしょうか。
 
翡翠は英語でジェイド(jade)と言います。
翡翠の鉱物名かと思いきや
そうではありません。
 
翡翠の鉱物名は
ジェイダイトとネフライト。
なんと2つあります。
 
実はこの2つ、
正式に翡翠として扱われていますが
全く別の石なんです。
ちょっとややこしいですよね。
 
翡翠という名前は総称で
日本では
ジェイダイトを硬玉(こうぎょく)やヒスイ輝石と呼び、
ネフライトを軟玉(なんぎょく)
と分けて呼んだりもします。
 
去年8月の誕生石ペリドットの時も書きましたが、
似たような見た目から
同じ石だと思われていたことが多い宝石の歴史。
ジェイダイトとネフライトも漏れなく
似ていたために同じ石と思われていたようです。
 
 
ジェイダイトとネフライト、
ジュエリーとして扱われているのは
主にジェイダイトの方です。
 
基本的には価格・価値も
ジェイダイトの方が高いとされています。
 
ジェイダイトの中でも
特に美しいものを琅玕(ろうかん)といい
適度な透明度と表面に艶を持った
美しい緑の石のことを指します。
 
本物は残念ながら見たことがないのですが
写真などで見るととても綺麗な石です。
琅玕は高いものでは石だけで
数百万もの価値があるそうですよ。
 
ネフライトのジュエリーも
ないわけではありませんが、
どちらかというと彫刻などを施したり
石で作った置物や器などが多い印象です。
 
 
色は、翡翠といえば
TOPの写真のような緑色を
イメージされると思いますが
 
ジェイダイトはグリーンの他に
ラベンダー、レッド、ブラウン、イエロー、ブルー、
ホワイトなどがあります。
 
ネフライトはグリーン、ホワイト、ブラック
があります。
 
 
・翡翠でできた服
古代中国では
美しい石のことを「玉」と呼び、
その中でも加工することに長けていた
翡翠のことを重宝していました。
この時使用されていたのは
中国で産出していたネフライトです。
 
ちょっと古い情報かもしれませんが
台北の故宮博物院には
当時作られた美しい玉器などが
展示されているそうです。
 
さらに翡翠は死者と一緒に埋葬すると
防腐作用があると思われていました。
 
そこで登場するのが
「金縷玉衣(きんるぎょくい)」。
 
「金縷玉衣(きんるぎょくい)」は
翡翠の板と金糸でできた
遺体をすっぽりと覆う屍衣です。
皇帝など位の高かった人の
お墓で見つかりました。
 
エジプトのミイラ然り、
昔の人の生まれ変わりや
死後の世界への執着ってすごいですよね。
 
着るためではないしにしろ
本来、服には向かない石で
かつ死んだ後のために作るなんて
すごい情熱を感じてしまいました。
 
ついでに
翡翠に防腐効果があるのかと言われると
石なので特に効果はないと思われます。
 
 
・日本の国石
翡翠は世界各国で
古くから扱われてきた宝石です。
その中でも最古といわれる産地が
実は日本にあります。
 
新潟県の糸魚川というところで
ここの翡翠は5億年近く前のものだそうです。
産出しているのはジェイダイトです。
 
日本ではここの翡翠を利用して
約5000年前の縄文時代には
翡翠を加工する文化があったそうですが
 
奈良時代以降は文化が途絶え、
1935年に糸魚川で翡翠が発見されるまでの長い間、
国内では翡翠は採れず、
国内の遺跡などで出土していた翡翠は
海外から来たものと思われていたそうです。
 
現在も糸魚川の海岸などでは
翡翠探しを体験することができるそうですよ。
(※詳細は現地のホームページなどでご確認ください)
 
日本から産出することがわかり
世界でも最古の産地と文化を持っていたということで
2016年日本鉱物科学会により
翡翠が日本の国石として認定されました。
 
 
 
今回は5月の誕生石、翡翠について
ご紹介いたしました。
 
同じ名称を持つのに
全く違う2種類の石。
 
学生の頃から
翡翠はなんだかややこしいぞ
と思っていたのですが、
 
今回調べたことで
ジェイダイトとネフライトの違いや
日本の翡翠について
理解を深めることができました。
 
日本では翡翠というと多くが
ジェイダイト(硬玉・ヒスイ輝石)
のことを指していますが、
 
GIAのジェード(翡翠)のページを見ると
海外ではジェイダイトもネフライトも
等しくジェード(翡翠)として
扱っているようです。
 
あんまりないかとは思いますが
もしも海外でお買い物中に
「これはジェード(翡翠)ですよ」
と言われた時は
お値段と一緒に
ジェイダイトかネフライトかの
確認をお勧めいたします。
 
割と最近国石になった翡翠に
少しでも興味を持ってただけたら嬉しいです。
私もいつか翡翠の落ちている海岸に
行ってみたいと思います。
 
今回はここまで。
次は6月に誕生石として
真珠をご紹介する予定です。
こちらも日本と関係の深い海の宝石です。
次回もお楽しみに。
 
 
 
Wiki ヒスイ / 糸魚川の翡翠
GIA ジェード
糸魚川ユネスコ世界ジオパーク
ジュエリーの世界史 山口遼
ジュエリーコーディネーターテキスト3級

書いた人

スタッフ 小松
ジュエリーの専門学校と御徒町のジュエリー工房で制作経験を積む。ジュエリーの商社でMDとして3年務めたのち、2019年からhitotsuchiに仲間入り。WEBサイトやSNS更新など中の人を担当。ジュエリーコーディネーター3級。
好きなこと:カフェ・お菓子屋さん巡り、刺繍、カメラ、映画、読書、居合道

結婚指輪・婚約指輪のオーダーメイドショップ
hitotsuchi 東京代官山 東京都渋谷区猿楽町22-13
TEL 03-6455-0972
MAIL info@hitotsuchi.com
OPEN 12:00~19:00(水、第3日曜定休)
オフィシャルサイトFacebookInstagram

Archives