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2022.01.10 Monday ジュエリーの知識

新しい誕生石

明けましておめでとうございます。
スタッフの小松です。
 
お正月はゆっくりと過ごせましたでしょうか。
 
去年の12月、
誕生石については一通り書いて
来年はどんな石について書こうかな
と思っていた矢先。
 
日本の誕生石が増えたとの
ニュースが飛び込んできました。
 
一旦終わりを迎えた誕生石についてですが
今年は新しい誕生石について
書いていこうと思います。
ぜひお付き合いくださいませ。
 
 

 
 

1.新しい誕生石一覧


新しい誕生石 8月 スピネル
2021年12月末、日本ジュエリー協会が
日本の誕生石に新しい石を10種類追加しました。
 
そこで
今回はこの新しく追加された石を
簡単にご紹介していこうと思います。
 
2021年12月に追加された
日本の新しい誕生石は下記の10種類です。
 
 
2月 クリソベリル・キャッツ・アイ
3月 ブラッドストーン、アイオライト
4月 モルガナイト
6月 アレキサンドライト
7月 スフェーン
8月 スピネル
9月 クンツァイト
12月 タンザナイト、ジルコン

 
 
全体的にあまり耳にしない、見た事がない
石が多い印象です。
 
私も何個か
どんな石だっけ??
と思う石がありました。
 
そこで次章では
新しい誕生石がどんな石かを
簡単にご紹介していこうと思います。

 
 

2.新しく誕生石に設定された石ってどんな石?


では今回新しく誕生石に設定された石について
簡単にご紹介していこうと思います。
 
 
2月 クリソベリル・キャッツ・アイ
色:イエロー、グリーン、ブラウン
硬度:8.5

クリソベリルという鉱物にキャッツ・アイが現れたものです。
キャッツ・アイとはその名の通り、石に光を当てると
猫の目のような一筋の縦ラインが現れるものを差します。
稀にこのキャッツ・アイのラインは他の鉱物にも現れるのですが
クリソベリルの石の色がハニー色や淡いグリーンなので
クリソベリル・キャッツ・アイは
どの石よりもネコの目のように見えます。
硬度も高く取り扱いやすい石です。
また、キャッツ・アイとだけ書かれている天然石は
基本的にはクリソベリル・キャッツ・アイの事を指しています。
 
 
3月 ブラッドストーン
色:深緑に赤い斑点模様
硬度:6.5〜7

深い緑と酸化鉄の赤が印象的な石です。
別名ヘリオトロープとも言います。
ちょっと禍々しい見た目ですが、
ブラッドストーンのブラッドは
「キリストの血」を意味していて
神秘的な力が秘められていると信じられていたとか、
別名のヘリオトロープは
「太陽に向かう」という古代ギリシャ語が由来だったり、
精神的に強くなり、若さと健康を保つ石
として伝えられてきたそうです。
見た目に反して前向きな意味合いが多い石です。
硬度は少し低めです。
 
 
3月 アイオライト
色:すみれ色(濃〜淡)
硬度:7〜7.5

すみれ色の石であるアイオライト。
輝きはサファイアと似ているガラス光沢です。
多色性という性質もをっていて
1つの石の中に
濃い青色に見える方向、赤紫に見える方向、
薄いグレーに見える方向がある
という性質を持っています。
基本は濃い青色の面を
テーブルという宝石の正面に持ってくるように
カットされます。
 
 
4月 モルガナイト
色:ピンク、オレンジピンク
硬度:7.5〜8

ベリルという鉱物で
エメラルドやアクアマリンと同じ仲間の石です。
透明なピンク色からサーモンピンクのような色もあります。
可愛らし印象で今までの誕生石にはあまりなかった淡い色です。
 
 
6月 アレキサンドライト
色:日光の下グリーン、白熱灯の下レッド
硬度:8.5

2月でご紹介したクリソベリルの変種です。
ロシア皇帝アレキサンダー2世の名に
因んで付けられた名前のこの石の
1番の特徴は変色性です。
日光の下では緑色の石ですが、
白熱灯などの光の下では赤くなります。
「昼はエメラルド、夜はルビー」なんて
ロマンチックな表現もされます。
変色性はサファイアやガーネットなどにも見られますが、
代表的な石はアレキサンドライトです。
 
 
7月 スフェーン
色:イエロー、グリーン、ブラウン、オレンジ
硬度:5〜5.5

スフェーンにはファイアと言われる特徴があります。
ファイアはダイヤモンドにもある特徴で
光を当てると虹色に輝くというものなのですが
スフェーンはダイヤモンドよりもファイアが強いとされています。
光の屈折率も高く、キラキラと輝きの強い石です。
ただし、硬度がダイヤモンドよりもかなり低いので
お取り扱いには注意が必要です。
 
 
8月 スピネル
色:レッド、ピンク、バイオレット、イエロー、
オレンジ、ブルー、ダークグリーン、ブラック
硬度:8

1番の特徴は色の多さです。
ほとんどの色があり、さらに透明石なので
ジュエリーの歴史の中では
様々な宝石と間違われてきました。
特に赤色はルビーの色と似ており、
世界の歴史的なジュエリーに付いている
ルビーを調べてみたら実はスピネルだった
ということが結構あります。
実は一番最初の赤い石の写真も
ルビーではなくスピネルなんですよ。
元々は硬度も高く丈夫で色も豊富な綺麗な石です。
 
 
9月 クンツァイト
色:ピンク、菫色がかったパープル
硬度:6.5〜7

ピンク色から紫色の透明石です。
4月のモルガナイトのピンクよりも
青みがったような色をしています。
割と新しい宝石で見つかったのは1902年のこと。
硬度は低めですがインクルージョンが少なく
大粒の石で採掘されることが多い
という特徴があります。
 
 
12月 タンザナイト
色:青紫〜菫色がかった紫
硬度:6〜7

タンザナイトについては
フライングですでに記事を書いていました。
よろしければこちらの記事をご覧ください。
濃い青紫の綺麗な石ですよ。
12月の誕生石 タンザナイト
 
 
12月 ジルコン
色:無色(加熱)、ブルー(加熱)、
イエロー、グリーン、ブラウン、オレンジ、レッド
硬度:6〜7.5

高い屈折率をもち、ブリリアンスやファイアなど
輝きがダイヤモンドに近いです。
そのため昔はダイヤモンドとジルコンは
混同されていたという過去もあります。
また色の種類も豊富です。
また、もう1つ間違われやすいのは
ジルコンとキュービックジルコニアです。
ジルコンは自然が作り出した天然石で
キュービックジルコニアは人が作り出した人造石で
2つは全く別のものです。

 
 

3.まとめ


今回のニュースを見て
誕生石って追加できるんだと
思われた方もいるかもしれませんね。
 
実は日本の誕生石は意外と最近できたもので
1958年に全国宝石卸商協同組合が制定したものです。
 
主にアメリカの誕生石を参考にし、
プラスアルファで日本独自の
翡翠や珊瑚や紅縞瑪瑙を追加しています。
 
今回、新しく日本の誕生石に追加された石も
現在アメリカのGIAが誕生石として
扱っているものが多かったです。
 
また誕生石は世界共通ではなく
国ごとに少しずつ違います。
 
例えばイギリスでは
クリスタル(水晶)の愛好家が多いので
クリスタルが4月の誕生石になったとか。
 
伝統的なあれそれかと思いきや
意外と可愛らしい決め方ですよね。
 
今回新しく追加された石は
愛好家が多い石というよりも
珍しい石が多いのですが
 
今までの誕生石にはなかったような色の石もあるので
これから広く知られるようになって
好きになってもらえたらいいなと思います。
 
昨年末の誕生石の記事で、
2022年は誕生石ではない石を紹介していく
と書いていたいのですが、
 
予定を変更して2月からは
新しく設定された誕生石を
1石ずつご紹介していこうと思います。
 
それでは今回はここまで。
次回もお楽しみに。
 
 
参考:
GIA誕生石一覧 JJA誕生石一覧
世界のジェムストーン図鑑 / 宝石 / ジュエリーコーディネーター3級テキスト

書いた人

スタッフ 小松
ジュエリーの専門学校と御徒町のジュエリー工房で制作経験を積む。ジュエリーの商社でMDとして3年務めたのち、2019年からhitotsuchiに仲間入り。WEBサイトやSNS更新など中の人を担当。ジュエリーコーディネーター3級。
好きなこと:カフェ・お菓子屋さん巡り、刺繍、カメラ、映画、読書、居合道

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